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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、文字通り睡眠中に頻繁に呼吸が止まってしまう状態です。このため、何度も起きてしまって睡眠が中断することで睡眠不足となります。

昼間に強い眠気に襲われたり、集中力の低下や自動車事故などを起こすリスクが高まります。10秒以上呼吸が止まる状態を無呼吸と言い、大きないびきを繰り返すのが特徴です。

睡眠中の無呼吸や低呼吸によって血液中の酸素濃度が低下して酸素不足になることにより、脳や心臓、血管に負荷がかかりやすくなります。

これにより、脳卒中、狭心症、心筋梗塞など重篤な合併症を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。側にいるご家族から、「大きないびきをかいている」「寝ているときに息が止まっていることがある」と言われて気付くケースもあるため、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、速やかに専門の医療機関を受診することが大切です。

症状

  • 毎晩大きないびきをかいている
  • 日中に強い眠気を感じることが多い
  • 朝起きた時に疲れが溜まっている
  • 家族から睡眠中に呼吸が止まっていると言われたことがある
  • 集中力が低下して仕事の能率が悪い
  • 朝起きた時に頭痛がする

発症リスクが高い疾患

  1. 動脈硬化
  2. 虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)
  3. 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)

検査

睡眠時無呼吸症候群の検査には、エプワース眠気尺度、簡易検査、精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)などがあります。それぞれの検査内容は以下の通りです。

エプワース眠気尺度

患者さんの主観によって眠気の度合を判断し、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるかどうかの判断の参考にします。各項目の合計点を計算し、16点以上が重症、11点以上が病的過眠領域と判断し、医療機関を受診する目安とします。あくまでも主観的な判断のため、専門の医療機関を受診することで客観的な状態の診断を受ける必要があります。
以下の表でそれぞれポイントを出して合計していきます。

眠ってしまうことはない:0点
時に眠ってしまう:1点
しばしば眠ってしまう:2点
だいたいいつも眠ってしまう:3点

状況 点数
1.座って読書している 0 1 2 3
2.テレビを観ているとき 0 1 2 3
3.人の大勢いる場所(会議や劇場など)で座っているとき 0 1 2 3
4.他の人の運転する車に休憩なしで1時間以上乗っているとき 0 1 2 3
5.午後、横になって休憩をとっている時 0 1 2 3
6.座って人と話している時 0 1 2 3
7.飲酒をせずに昼食後、静かに座っている時 0 1 2 3
8.自分で車を運転中に渋滞や信号で数分間止まっている時 0 1 2 3

簡易検査

問診を行って睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると判断された場合には、簡易検査を行います。当院では、検査装置を患者さんにお貸ししてご自宅で就寝時に検査が可能なので、入院の必要はありません。寝る際に、顔と手にセンサーを装着して寝るだけで検査ができます。その後は記録データを解析し、睡眠時の無呼吸や低呼吸の平均回数(AHI)を出して診断します。

精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)

簡易検査で睡眠時無呼吸症候群が疑われる、ないしは判断が難しい場合、精密検査を行います。呼吸状態や血液中の酸素濃度に加えて脳波や筋電図なども測定し、無呼吸の状態や睡眠の質への影響を調べます。PSGは通常入院で行われており、1泊ないしは2泊の入院が必要ですが、当院ではPSGもご自宅で可能なため、患者さんのご都合に合わせて検査日を設定できます。

治療

CPAPという医療機器で行います。鼻に特殊マスクを付けて空気を送り、気道狭窄や閉塞を防ぎます。適度な圧力の空気によって、快適な呼吸を促します。装置の装着だけですので、ご自宅や旅先でも治療することができます。睡眠時の無呼吸や低呼吸が減るため、睡眠の質が改善されます。それに伴い、昼間の強い眠気や集中力低下も減少します。CPAP療法は睡眠時無呼吸症候群の主な治療法として確立されていますが、根本的に完治するためには、適正体重の維持や肥満解消など生活習慣の改善が不可欠となります。

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